【三菱電機】 MELCOM70シリーズ モデル20,25,35

1976年に発表された,中央処理装置に国産で初めてバイポーラLSIを採用した三菱電機のミニコンである.マイクロプログラム制御方式を採用しており,演算制御部には4ビットスライスのバイポーラLSI,制御記憶には1KビットのバイポーラROMを使用している.主記憶は,1語16ビットでパリティ1ビットを持つ4KビットNMOS LSIを使用しており,サイクルタイムは0.5μ秒である.

最大主記憶容量は,モデル20が32K語,モデル25が64K語,モデル35が128K語である.モデル35では,16ビットの論理アドレス空間より大きな物理アドレスをアクセス可能とするため,境界レジスタとリロケーションレジスタを用いたアドレス変換機構を採用している.また,データ専用の拡張論理アドレス空間(16ビット)を用意し,最大128K語の主記憶を1つのプログラムで使用可能としている.

さらに,RAS機能の拡充,ビット処理やバイト処理命令などの追加,ファームウェア化による浮動小数点演算の高速化,入出力チャネルの採用,デバッグ機構の拡張を図っている.

基本ソフトウェアとしては,オンラインシステム,リアルタイムシステム,および,科学技術計算等のバッチ処理をサポートするMARCS70(MELCOM70 All Round Adaptive Consolidated Software System)というソフトウェア体系を完成させ,「脱紙テープミニコン」として,フレキシブルディスクOSとして提供された.


  
MELCOM70シリーズ/ モデル20