データ収集・処理,データ通信などのリアルタイム処理を行いつつ,科学技術計算,事務計算を並行処理するマルチプログラミング機能を装備し,価格的には従来のミニコンのレベルにとどめたOKITACsystem50を1978年に発表した.
当時,LSIに代表される半導体技術の著しい発達に支えられて,ワンチップCPUと呼ばれるマイクロプロセッサが登場し,ミニコンの底辺市場を侵食する傾向が明確になってきた.一方,コンピュータの利用技術は高度化し,従来までの汎用中大型機の分野と考えられていた規模の分野まで,ミニコンピュータが利用される傾向にあった.
このようなニーズに応えるべく設計されたOKITACsystem50は特にオンライン機能,マルチプログラミング機能,OS(DOS/FOS/MOS)機能,高水準言語(FORTRAN,COBOL,BASIC,RPG他)処理などを意識した高機能命令,記憶保護機構,タスクスイッチング,高速割込み機構,入出力制御および大容量ファイルの実現などを実現したものであった.
モデル10 | モデル20 | モデル40 | モデル60 | ||
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発表時期 | 1978年3月 | 1975年7月 | 1975年7月 | 1978年3月 | |
CPU | 16bit独自CPU | ||||
記憶素子 | 磁気コア/MOS IC | 磁気コア/IC | MOS IC | ||
サイクルタイム | 650n秒 | 650n秒 | 600n秒 | ||
記憶容量 | 32KB〜65KB | 32KB〜256KB | 256KB〜2MB | ||
制御方式 | マイクロプログラム制御 | ||||
命令数 | 基本57,オプション43 | 基本57,オプション43 | 基本66,オプション34 | 基本81,オプション37 | |
データ形式 | 固定小数点数(単/倍),浮動小数点数(単/倍),10進データ(可変長),論理データ(bit,byte,語,可変長) | ||||
加減算速度*1 | R-R 1.60μ秒 | R-R 1.02μ秒 | R-R 1.02μ秒 | R-R 0.25μ秒 | |
R-M 3.52μ秒 | R-M 2.04μ秒 | R-M 2.04μ秒 | R-M 0.75μ秒 | ||
レジスタ | 16ビット汎用レジスタ 8個, 32ビット浮動小数点レジスタ 2個, 16ビット制御レジスタ 8個 | ||||
CPU各種機構 | 記憶保護機構 | 付加 | 基本機能 | ||
タイマ機構 | 付加 | 基本機能 | |||
多重ジョブ機構 | 基本機能 | 付加 | 基本機能 | ||
浮動小数点演算機構 | 付加 | ||||
10進演算機構 | 付加 | ||||
IPL機構 | 基本機能 | ||||
自動再スタート機構 | 基本機能(デスクタイプ) | 付加 | 基本機能 | ||
電源異常検出機構 | 基本機能(デスクタイプ) | 付加 | 基本機能 | ||
温度異常検出機構 | なし | 付加 | |||
送風異常検出機構 | なし | 基本機能 | |||
2重化インタフェース機構 | なし | 付加 | |||
その他 | 制御用,専用システム向け | 大規模専用システム,多目的システム |