1969年に開発,販売開始されたミニコンピュータOKITAC-4300は高さ29cm,前幅43cm,奥行50cmのステレオアンプなみの筺体に,中央処理装置(2進演算)と磁気コア記憶装置(16ビット/語,8,192語まで内蔵可)がコンパクトに収容され,記憶装置はユニット方式で32K語まで増設可能,回路はオールIC化,演算速度は毎秒26万回という中型コンピュータなみの高速性能であった.また,周辺機器としては電子計算機の標準入出力装置を接続でき,特別な空調も不要で,リアルタイムシステムにも適用できる各種機能が装備されていた.当時,中央処理装置と内蔵の磁気コア4K語を合わせて価格が360万円であったことから,1万ドルコンピュータ(当時の為替レート:1ドル=360円)といわれ,そのコストパフォーマンスの高さが好評を博した.
OKITAC-4300はその後1980年まで改良を続けられ,E型・S型・C型等々6機種のファミリーを備え,科学技術計算,プロセス制御,計測制御,通信制御等,広範囲にわたって活用された
OKITAC -4300 | OKITAC -4300E | OKITAC -4300S | OKITAC -4300C | OKITAC -4300b | OKITAC -4300a | |
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発表時期 | 1969年7月 | 1971年 | 1971年 | 1972年 | 1974年 | 1980年4月 |
CPU | 8bit独自CPU | 8bit独自CPU カスタムLSI | ||||
記憶素子 | 磁気コア | IC/磁気コア | ||||
主記憶容量 | 4K〜32K語(1語=16bit) | |||||
サイクルタイム | 1.5μ秒 | 600n秒 | 磁気コア600n秒/IC700n秒 | |||
命令 | 1語1命令 | |||||
アドレス方式 | 11/2方式,ページ方式(256語/ページ) | |||||
命令数 | 基本命令39 | 基本命令44 (入出力命令を除く) | ||||
演算速度 | 加減算 3.84μ秒 |
加減算1.48μ秒 乗算 10.7μ秒 除算 17.3μ秒 |
加減算 1.48μ秒(磁気コア) 2.22μ秒(IC) |
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割込みレベル | 4レベル | |||||
乗除算機構 | なし | オプション | オプション | 標準装備 | 標準装備 | 標準装備 |
その他 |
高密度実装 (M秒I,大型基板) |
CPU基板1枚 | CPU+メモリが基板1枚 |