【日立】 HITAC 10

HITAC 10は日立製作所が開発した我が国初のミニコンピュータで,1969年2月に発表された.1語は16ビット(オプション32ビット)のアーキテクチャ.回路素子はオールICで記憶装置に磁気コアを採用.記憶容量は4K語から最大32K語まで,サイクルタイム1.4μs,加減演算2.8μs,基本命令数16(オプションで12命令追加可能),最大64台までの入出力装置が接続可能.基本入出力装置はデータ・タイプライタで可搬記憶媒体は紙テープ.科学技術計算用に倍長演算機構を備えた.モニタ(初期のOS機能),アセンブラ,コンパイラ(FORTRAN,BASIC),各種入出力サブルーチンが用意されており,ソフトの開発効率が高い.小型,低価格,高信頼性,ソフト作成が容易という特徴から広い用途に使われ,個人使用の科学技術計算の他,機器組込み制御装置として,監視制御,自動制御,生産ライン制御,工作機械やロボット制御,プロッタ制御等の製図・設計,データ通信制御,ガスクロマトグラフィー・蛍光分析・血液分析などの計測器等,多岐に渡って使用された.タイプライタ付きの基本構成で495万円.


  
HITAC 10