1990年7月,日本電気は,当時世界最高速の汎用コンピュータACOSシステム3800を発表した.同機は,ゲート当たり遅延時間70ピコ秒の2万ゲート論理VLSI,アクセス時間1.6ナノ秒のバイポーラRAM,1メガビットSRAM,4メガビットDRAMなどのLSI技術,22.5cm×22.5cmの大型セラミック基板上にVLSIを100個搭載する高密度実装技術,さらに独自の分岐予測機構とバイパス機構を備えた高度なパイプライン技術の採用などによりACOSシステム1500シリーズに比べてシングルプロセッサで約2.7倍に高性能化している.
最大で6台のマルチプロセッサ構成の実現や最大128テラバイトのデータ専用空間「拡張データ空間」などの装備により優れた拡張性を持たせている.
さらには,複数のシステムが連携したマルチプレックス構成の信頼性を向上させるため,相互スタンバイ方式において,他の複数のシステムからのバックアップを可能にしたこと,バックアップの際,拡張記憶装置を介した業務の引継ぎ機能などにより高速で円滑な業務引継ぎを可能にしたことなどにより,高信頼度システムを実現させている.
モデル8 | モデル10 | モデル20 | モデル30 | モデル40 | モデル50 | モデル60 | |
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発表時期 | 1990年7月 | ||||||
OS | ACOS-4 | ||||||
演算処理装置台数 | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 |
主記憶容量 | 512MB | 512/ 1,024MB |
1,024MB | ||||
命令キャッシュ | 64KB | 64KB×2 | 64KB×3 | 64KB×4 | 64KB×5 | 64KB×6 | |
オペランドキャッシュ | 64KB | 64KB×2 | 64KB×3 | 64KB×4 | 64KB×5 | 64KB×6 | |
チャンネル本数 | 最大256本 | 最大256/ 512本 |
最大512本 | ||||
総合データ転送能力 | 1GB/s | 1/2GB/s | 2GB/s | ||||
CPU素子 | バイポーラ | ||||||
メモリ素子 | 4MビットDRAM(EMU) |
ハードウェア 諸元・機能 |
演算処理装置台数 | 1〜6台 |
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EPUキャッシュ容量 | 命令 64KB/EPU オペランド 64KB/EPU |
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最大主記憶容量 | 384M〜1GB | |
最大チャネル本数 | 128〜512本 | |
総合データ転送能力 | 0.5〜2GB/s | |
最大拡張記憶容量 | 8GB | |
仮想空間 | 基本アドレス空間 2GB データ空間 128TB |
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セキュリティ機能 (プログラム保護) |
セグメンテーションによる空間の独立性 マルチオーソリティキーによる記憶保護 |
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高信頼性 | 冗長演算回路構成 プロセッサリリーフ機能 → (障害EPU 自動引継機能) 内蔵診断プロセッサ |
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システム機能 | データベース | ネットワーク型 ADBS リレーショナル型 RIQS II V2 |
言語 | COBOL85 FORTRAN77 C LISP PASCAL |
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OLTPモニタ | 大規模トランザクションモニタ VIS II | |
フォールトトレラント | 無停止システム構築可能(自動切替え機能) | |
ネットワーク | DINA手順 OSI手順(FTAM、MHS) TCP/IP手順 |
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CASEツール | ソフトウェア開発支援 SEA/I | |
運用支援機能 | 統合運用管理TOM 業務運用支援システム FIPS-XE |