【NTT】 DIPS-Vエンハンスシリーズ

DIPS小型の方式構成を継承し,より規模・性能の大きい応用領域への拡張を狙いに上位シリーズの展開が図られた.DIPS-VエンハンスシリーズではDIPS-V20のハードウェアを基本にCPUの改良を行い,V20の2〜3倍の性能を目標とするDIPS-V30の実用化が電電公社(現NTT)研究所で進められ,1985年度末に商用導入が図られた.

さらなるテクノロジーの進歩と,小規模情報処理の分野の利用拡大に対応するため,V30の上位方向の展開が図られ,1987年度末にV30E,1989年にV30EX,また1992年にV40EXが開発された (DIPS-VシリーズE系列機の主要諸元) .

V20を出発点とするもう一方の発展として,一層の分散処理の実現,さらに小規模領域への情報処理応用の経済的実現とを目指し,下位シリーズの系列が展開された.ここでは多様な周辺装置のインタフェースを,各々対応するアダプタボードに実現し,さらに通信の接続制御機能を通信用ボードの上に実現することにより,通信系・周辺系を1つのIOPで制御できるようにし,より簡易な構成方式に発展させた.デスクトップタイプのV30Sの実用化(1986年度末完成)を皮切りに,1987年にV30SX,また1991年にはV40SXが開発された (DIPS-VシリーズS系列機の主要諸元) .

DIPS-VシリーズE系列機の主要諸元
項  目 V30 V30E V30EX V40EX (参考)
DIPS-V20
性 能(DIPS-11/10比) 0.6 0.8 1.2 2.5 0.3
システム     CPU台数 2 2 2 2 2
最大主記憶容量
(MB)
16 16 64 255 16
周辺制御/通信制御プロセッサ 種類 4  *1 4 4 3 4  *1
台数 4 4 4 4 4
サービスプロセッサ 1 1 1 1 1
処理装置
(CPU)
命令数 166 166 168 169 164
主要論理素子
(G/チップ)
80K CMOS VLSI 80K CMOS VLSI 100K CMOS VLSI 140K CMOS VLS1 20K CMOS VLSI
記憶装置
(MEM)
増設単位 (MB) 4 4 8/16 16/32 2/4
記憶素子
(B/チップ)
IM DRAM IM DRAM 4M DRAM 16M DRAM 256K DRAM
通信制御   回線 最大収容回線数 128 128 128 128/256*4 128
回線速度
(B/S)
100〜48K 100〜64K 100〜64K 100〜64K/
100〜1.5M *4
100〜48K
LAN 速度
(MB/S)
1/10 1/10 1/10
DIPS-VシリーズS系列機の主要諸元
項  目 V30S V30SX V40SX (参考)DIPS-V20
性 能(DIPS-11/10比) 0.5 0.7 1.4 0.3
システム     CPU台数 1 1 2 2
最大主記憶容量
(MB)
16 64 223 16
周辺制御/通信制御プロセッサ 種類 1 1 1 4 *1 *2
台数 1 1 2 4
サービスプロセッサ 1 1 1 1
処理装置
(CPU)
命令数 166 168 169 164
主要論理素子
(G/チップ)
80K CMOS VLSI 100K CMOS VLSI 110K CMOS VLSI 20K CMOS VLSI
記憶装置
(MEM)
増設単位 (MB) 8 8 16 2/4
記憶素子
(B/チップ)
1M DRAM 1M DRAM 4M DRAM 256K DRAM
通信制御   回線 最大収容回線数 64 64 256 128
回線速度
(B/S)
100〜48K 100〜64K 100〜1.5M *4 100〜48K
LAN 速度
(MB/S)
1/10 1/10
〔注〕アダプタ種類等   *1:4線式シリアルインタフェース制御
  *2:RS-232C/GPIBインタフェース制御
  *3:RS-422A/セントロニクス/SCSIインタフェース制御
  *4:回線制御部のモードがエミュレーションモードまたはネイティブモード

DIPS-V30DIPS-V30EDIPS-V30EX
DIPS-V40EXDIPS-V30SDIPS-V30SX
  
DIPS-V40SX