1996年5月,日本電気より,オフイスに点在するFAX/プリンタ/コピーなどのOA機器を統合し,PCからの操作で簡単に情報の伝達,加工ができるネットワーク複合機MULTINA i2000等3機種がMULTINAシリーズの名称で発表された.MULTINAシリーズは,業界で初めて電子メールとファクシミリ通信をパソコンからの同一の操作で行うことを可能にし,Windows95搭載パソコンとの電子メール形式の通信を可能としたi2000とFAX/プリンタ/コピーの機能を統合し,さまざまなLANプロトコルに対応できるネットワークプリンタ機能を搭載したAi7000(G3機)/Ai7000D(G4機)から構成されていた.
i2000は以下の特長を有していた.
(1) | Microsoft Exchangeとの連携により,LAN上の自席のパソコンから電子メールを送るのと同一の操作でファクシミリ文書の送受信ができ,受信したファクシミリを統合電子メール画面上で確認できるFAXサーバ機能を実現していた. |
(2) | Windows95標準のMicrosoft Fax通信手順の採用により,Windows95搭載パソコンやi2000との間で,電子メール形式の通信を行ったり,受信したデータ/ファクシミリイメージをLAN上の指定したパソコンへ配信できた. |
(3) | ネットワークプリンタ/ネットワークスキャナとして,LAN上の複数のパソコンからの使用が可能であった. |
Ai7000/Ai7000Dは以下の特長を有していた.
(1) | レーザ普通紙FAXや,デジタルコピー機能に加えてプリンタ機能を標準搭載しており,同時に2台のパソコンに接続でき,また,オプションでLAN内のネットワークプリンタとして複数のパソコンからの利用が可能であった. |
(2) | NEC独自の「チェック&ゴー機能」の搭載により,読み取った原稿やパソコンで作成した文書を送る際に,あらかじめサンプル印字して確認した後に,直接メモリから送信するため,作業を効率化でき,画質の劣化を防げた. |
(3) | A4判標準原稿を業界最速の4秒(G3モード)で電送が可能なため,大幅に通信コストを節約でき,また原稿読み取り速度も業界最速の0.9秒を実現していた. |
(4) | コピー機能としては,400dpiの高解像度と超微粒子トナーの採用により高画質を実現し,また多彩な編集機能を有していた. |
(5) | 大きく見やすい大型液晶タッチパネルを搭載し,原稿読み取り/プリントアウト/送受信などの複数の動作を同時に処理できるマルチアクセス機能を採用したため,操作性に優れていた. |