1993年10月,日本電気より,解像度が1インチ当たり400ドット(400DPI)で,アウトラインフォントを標準搭載しながら,10万円以下の低価格のPC-PR101/TN103A等2機種が発表された.2機種はバッテリ駆動が可能な小型・軽量のノートタイプで,標準価格が10万円以下と普及価格ながら,高品質な印刷を実現したPC-PR101/TN103A,同じく10万円以下で日本語で165字/秒相当の高速印刷が可能なPC-PR101/T165Aからなっていた.PC-PR101/TN103Aは以下の特長を有していた.
(1) | 本体のサイズが幅316×奥行き185×高さ58mm,重量が1.6?sと小型・軽量であるため,携帯性に優れていた.また別売のバッテリーパックを使用することでAC電源のない場所でも印刷が可能であった. |
(2) | 標準添付のシートフィーダは卓上での使用時は装着利用し,携帯時には分離するなど着脱が可能であり,用途に応じて使用できた. |
(3) | 400DPIの解像度とアウトラインフォントの標準搭載により,10万円以下のプリンタでありながら,高品質な印刷品質を実現し,文字フォントとして明朝体・ゴシック体・毛筆体を標準で装備していたため,用途に応じた最適な書体の選択が可能であった. |
(4) | 1/2倍,2/3倍,4/5倍という3種類の縮小印字機能に加え,120%の拡大印字機能も有しており,パネルスイッチで容易に切り替えて利用できた. |
(5) | 熱転写方式の特性を活かし,以下の特殊印刷機能を有していた.
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(6) | 印字速度がノートプリンタとしては高速な103字/秒であり,下線部や網掛けなど飾りのついた文字を一度に印刷できる64ドットヘッドを採用していることなどで,高速印刷を実現していた. |
(7) | カラーインクリボンカートリッジを使用することで,カット紙やハガキなどにカラー8色の印刷が可能であった. |
(8) | Windows3.1に対応し,アプリケーションソフト使用時の印刷でも400DPIの高品位印刷が可能であった. |