情報処理の高速度化が要求されるに従って,高速度印刷機の必要性が増大し,沖電気はフライングベルト型の高速度プリンタの開発を1957年より開始した.
フライングベルト型とは,活字を連続的に移動させ,印字ハンマーをタイミングパルスで駆動する制御方式であり,当時 多くのラインプリンタが採用していたマルチホイール式では1行の文字数分に相当する活字の組が必要だが,フライングベルト式では活字の組は1〜2セットで構成できるという利点があった.
プリンタの駆動回路については電電公社通信研究所の指導を受け,また二周波メモリーコアによる制御装置については東京大学後藤英一氏のご協力を得た.
パリで開催された国際情報処理学会(Automath59)に出品されたフライングベルト方式によるベルトプリンタは毎分300行の印字速度で,10日間の会期中連続運転を行うことができた.
ベルトプリンタ | |
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印字速度 | 300〜600行/分 |
1行の字数 | 120〜180文字/行 |
文字の種類 | 64種類 |
紙幅 | 14〜20インチ |