【NTT】 高速漢字プリンタ装置(LP15000)

1975年(昭和50年)代に入って情報処理の分野で漢字が使われ始めた.電電公社のデータ通信でも共同利用形病院情報システムなどのナショナルプロジェクト,DRESS,DEMOSなどの共同システムにおいて漢字処理の導入が計画され,センタ出力用の15,000行/分の高速漢字プリンタの実用化が要請された.

電電公社(現NTT)の研究所では,従来から培ってきた電子写真記録技術,高速熱定着および高速用紙処理技術を適用することにより装置実現の見通しが得られ,1978年3月実用化を開始した.高速化達成のため,回転ミラーの高速回転による光書き込み速度の向上,現像剤搬送攬拌の高速化およびプレヒータ改良による定着の高速化,用紙処理の高速化,装置内データ処理の高速化などの技術開発を行うとともに,多機能化による汎用性の実現を目指し,書式印刷,英数カナプリンタとの共用化を図ることとし,1979年6月より装置単体試験,連続試験およびシステム接続試験を実施し実用に供しうることを確認し,1979年10月完成した.

本装置は印刷速度で当時の最高速市販製品の1.5倍の世界最高速を実現したものであり,電電公社(現NTT)のDIPSセンタへ多数導入されたばかりでなく,市販装置としても広く使用された.


  
15,000行/分の世界最高性能レベルの高速漢字プリンタ