日本電気は1975年6月,電子制御を大幅に取り入れて,高速,高信頼性,低コストを実現した“インテリジェント・プリンタ”を発表し,システム・単体・OEM販売を開始した.
これらのプリンタは機械的な部分を省き,部品点数を従来の1/10に削減している.装置の80%をエレクトロニクス化し,またマイクロコンピュータの採用により,高速化,低騒音,高信頼性,メンテナンスフリー,小型化,低価格化を実現している.
NB-3000“バドミントンプリンタ”は,バドミントンの羽根の形をした重量約6gのプラスチックモールド活字ヘッドにより,128字種の印字能力で40字/秒という印字速度を有している.
NH-3000“ハイプリンタ”は,ドットインパクト方式で180字/秒という高速印字が可能である.
これらのプリンタは試験・診断機能を備えている.
NB-3000は1978年3月までの間に16,000台を越える受注累計を達成した.
バドミントンプリンタはパーソナル,オフィス分野向けにSP-40を発売し,2年後国内トップシェアを確保した.また1976年より“Spinwriter”の名で北米へ輸出を開始,その後継機で1980年代前半にかけて1〜3位のシェアを獲得した.
日本電気は1978年,上記各機種をさらに高性能・小型軽量化したNB-3300,NH-3300を発表した. 印字速度の向上とともに,双方向印字,連続スペースおよび連続改行の一括早送り等により,スループットが従来機に比べ30〜40%向上している.また,高密度グラフ出力が可能となった.
重量は電源部込みで1/2に,サイズは電源部込みで奥行きが2/3になった.
型名 |
ハイプリンタ NH-3000 |
バドミントンプリンタ NB-3000 |
ハイプリンタ NH-3300 |
バドミントンプリンタ NB-3300 |
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印字方式 | 7×9 ドット | 静止活字 | 7×9 ドット | 静止活字 |
文字の種類 | 英・数・カナ・記号 計128種 | |||
最大印字数 | 132字/行 | 136または163字/行 | ||
印字間隔 (字/インチ) |
10 | 10 または 12 | ||
行間隔 (行/インチ) |
3 または 6 | 6 または 8 | ||
複写能力 | オリジナル含め 5 枚 | オリジナル含め 6 枚 | ||
印字速度 (字/秒) |
180 | 40 | − | 55 |
印字音 | 60ホン以下 | |||
外形寸法(mm) 鍵盤無しモデル | 600(W)×455(D)×225(H)(除電源部) | 600(W)×415(D)×210(H) | ||
重量(kg) | 35(除電源部) | 33(除電源部) | 24 | 24 |
発表年月 | 1975年6月 | 1978年9月 | 1978年4月 |