日本電気は1980年4月,日本初のドットインパクト方式漢字ラインプリンタKLP60Cを完成した.本機は従来のドットインパクト方式漢字シリアルプリンタに対し,より高速な印字と高耐久性を実現するものである.
本機の印字は,先端部に1ドットの印字ピンを持つ印字ハンマが5.08mm間隔で68個 横一列に並んで搭載された“ハンマバンク”が行う.ハンマバンクが左右に約5.5mm揺動して各印字ハンマが分担する32ドット分の印字を行うと,紙を縦方向に1ドット分移動させる.これを繰り返す.
ハンマバンクを揺動する“シャトル機構部”はDCサーボモータでクランク機構を介してハンマバンクを駆動しシャトル機構部には機械的摺動部が無く無注油である.また左右の揺動による装置の振動をダイナミックバランサによって抑えている.
本機は,ソフトウェアフォームのオーバーレイ印字やイメージデータの印字も可能である.
印字方式 | ドットインパクト方式 |
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ドットピッチ | 縦 1/168インチ,横1/160インチ |
文字の種類 | 英数カナ 127字,漢字 約8000字 |
文字構成,寸法 |
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最大印字数(字/行) | 英数カナ 136, 漢字 90 |
複写能力 | 5 枚 |
印字速度(行/分) | 60 (24×24漢字の場合) |
用紙幅 | 6〜16インチ |
騒音 | 60dB(A) |