汎用コンピュータOKITAC-5090のカードリーダの設計をベースに,通産省の大型電子計算機開発プロジェクトの一環として沖電気は,1963年に読み取り速度1,000枚/分の高速シリアルカードリーダを開発した.
主な特徴は次の通りである.
- (1)カードをcolumn by column(長手方向)に走らせて,カード上の符号を読み取る方式を採用しているために,コンピュータへはカードのキャラクタごとに読み取りシグナルおよびタイミングパルスが送出される.これにより,コンピュータ内部での記憶および縦横変換機能が不要になり,カードチャネルコントロールが容易になった.
- (2)読取素子に太陽電池を採用し,1カラム遅れのダブルリード方式により誤読み取りを完全に防止した.
- (3)タイミングパルスは機械内で整形されてコンピュータへ送出されるので,コンピュータにはタイミング用のカウンタ・デコーダ等は不要であった.
- (4)処理枚数毎分800枚の場合は,読み取りチェック完了後次のカードをスタートすることが可能であった.
- (5)万一ネックあるいはジャムが発生した場合は,検出機能が働き,装置は直ちに停止する.
- (6)ホッパーのカード収容枚数は3,000枚,スタッカーは3,000枚および1,000枚の2個を装備していた.
OKI高速シリアルカードリーダ | ||
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使用カード | 80欄標準カード | |
読取方式 |
光学式(太陽電池使用) 行方向12行同時ダブルリード |
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読取速度 | 1,000枚/分 | |
ホッパー収容枚数 | 3,000枚 | |
スタッカー収容枚数 | 3,000枚(メイン) 1,000枚(サブ) | |
消費電力 | 100±5V 50〜60Hz 1kW | |
寸法 |
1250(W)×620(D)×1190(H) (ホッパー最高部1547)mm |
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重量 | 350kg |