光電式テープリーダを発表した沖電気は,1961年にコンピュータOKITAC-5090の入力装置としてリール付の光電式テープリーダOKITAC-5096を発表した.
OKITAC-5096の主な特徴は次の通りである.
- (1)信号素子としてシリコンフォトダイオード1N2175を用い,特に温度による出力レベルの変動を少なくしてあった.
- (2)5,6,8単位いずれのテープでも,簡単な切り替えにより使用できた.
- (3)正方向読み取りのほかに逆方向読み取りおよび正逆両方向のテープの巻戻しが可能であった.
- (4)制御回路はトランジスタにより構成され,継電器を用いたときに発生するチャッタリングによる雑音は発生しない.
- (5)操作は前面パネルまたは外部により行えるが,きわめて容易であった.
- (6)テープの切断,信号ランプの切断のような事故の場合は,速やかに停止し,ランプで表示する.
- (7)テープリールの駆動方式はコーンクラッチ方式を採用し,フリクテンションドライブを実現していた.
OKITAC-5096 | ||
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紙テープ使用単位数 | 5単位,6単位または8単位 | |
毎秒読み取り字数 | 200文字/s | |
読取部 |
フォトダイオード1N-2175 信号用 8個 フィード用 1個 計9個 |
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停止特性 | 駆動マグネット電流がまったく断たれてより1.3mm以内 | |
フィードマグネット動作時間 | 3〜5ms | |
重量 | 200kg | |
外形寸法 | 600(W)×457(D)×1570(H)mm | |
電源 | 50Hz,60Hz,AC100V |