HITAC Mシリーズ用のカード機器として開発されたH-8297形カード読み取り機，H-8298形カード読み取り機で，スピードなどの仕様は従来機種と同じだが，新しい特徴を数多く持っている装置である．
- （1）マイクロコンピュータ制御方式を採用した．電子計算機システムの処理装置との信号のやりとりや，カードを移動させるためのモータの駆動・停止，操作盤のランプの点灯・消灯に至るまでカード読み取り機の中に組み込まれたマイクロコンピュータによりコントロールする方法がとられている．Mシリーズ電子計算機システムに接続するための処理装置との信号のやりとりは8000シリーズと比較して複雑になっているため，従来の論理回路で構成すると数倍の物量となり，これを解決するために，マイクロコンピュータが使用された．
- （2）操作性を改善し，操作方法をランプ表示して使いやすく，筐体構造の改良により，従来機器と比較すると低騒音になっている．
- （3）チャネル切替スイッチの付加を可能とした．これはカード読み取り機に付加されるスイッチの切り替えにより，1台のカード読み取り機または穿孔機を複数台の電子計算機システムで共用して（最大4システム）使用することができる機構である．
- （4）カード情報を記憶するバッファメモリを持った．
- （5）無配線コネクタを使用し，原価低減を図った．
