F6473Kは,IBM3490互換のテープ媒体を採用した富士通の高性能磁気テープ装置であり,1993年7月に出荷が開始された.同社には,IBM3480互換テープ媒体を採用した磁気テープ装置として,既にF6470磁気テープ装置(1987年9月出荷),更に搭載ドライブを4台に拡張したF6473A(1991年3月出荷)があった.F6473K磁気テープ装置は,データ量の増大に対応するため,36トラック記録方式と2倍長テープを採用することにより,テープ1巻当たりの記録容量を4倍に拡大した.本装置は以下の特徴を有した.
- (1)薄膜技術を利用した36トラック磁気ヘッドにより75,742バイト/インチの高記録密度を可能とし,2倍長カートリッジもサポートしており,テープ1巻当たり最大800メガバイトのデータ記録が可能
- (2)18トラックサーペンタイン(往復)方式を採用しており,18トラックで記録された媒体のリードも可能.
注:サーペンタインとは,テープを往復して記録する軌跡が蛇(serpentine)のようであることからきている.
F6473K 磁気テープ装置 |
F6473A 磁気テープ装置 |
F6470 磁気テープ装置 |
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出荷時期 | 1993年7月 | 1991年3月 | 1987年9月 |
テープ媒体 | シングルリールカートリッジテープ (1/2inch幅, 長さ1080フィート*1) |
シングルリールカートリッジテープ (1/2inch幅, 長さ540フィート) |
シングルリールカートリッジテープ (1/2inch幅, 長さ540フィート) |
カートリッジ外形(mm) | 110(W)×128(D) ×26(H) |
110(W)×128(D) ×26(H) |
110(W)×128(D) ×26(H) |
ドライブデッキ数(デッキ/台) | FACOM6473A4:4 FACOM6473A2:2 |
FACOM6473A4:4 FACOM6473A2:2 |
2 |
記録密度(byte/inch) | 75,742 | 37,871 | 37,871 |
記録トラック数 | 36(18 トラック往復) | 18 | 18 |
記録方式 | GCR | GCR | GCR |
データ転送速度(MB/s) | 3.0 | 3.0 | FACOM6470A:3.0 FACOM6470B:1.5 |
テープ走行速度(inch/s) | 78.7 | 78.7 | FACOM6470A:78.7 FACOM6470B:39.3 |
記憶容量(MB/ボリューム) | 最大800(*2) (データ圧縮時約2,400) |
最大200(*3) (データ圧縮時約400) |
最大200(*3) (データ圧縮時約400) |
アクセス時間(ms) | 25 | 25 | 25 |
リワインド時間(s) | 40/80*1 | 40 | 55 |
アンロード時間(s) | 7/10*1 | 7 | 7 |
複数媒体の自動装填 | 最大6巻収容の自動装填機能 | 最大6巻収容の自動装填機能 | 最大6巻収容の自動装填機能 |
*2: 32Kbyteのブロックサイズで2倍長テープに記録した場合
*3: 32Kbyteのブロックサイズで記録した場合