H-8488-A10は,小形・省エネ化を実現した最高速のオープンリール磁気テープ装置で,1985年5月に出荷された.
メインフレーム用オープンリール磁気テープ装置の最後のモデルであり,データ交換用磁気テープ装置として,国内外で数多く稼動した.
特筆されるものを下記に示す.
- 1) 省スペース,省エネルギー化
- 磁気テープ装置と磁気テープ制御装置の一体化構造,LSI 化,高密度実装などの実現により,設置面積,所要電力ともに,約40%の低減を図った.
- 2) 機能追加(データ圧縮)
- 日立独自の機能であるデータ圧縮機能を装備することにより,磁気テープ1巻当たりの記憶容量を約2倍(3000MB)に高めるとともに,最大データ転送速度を3MB/秒まで向上可能とした.
- 3) 操作性,保守性の向上
- テープ装置の操作盤に,障害の区分に応じてオペレータへアドバイスを与えるメッセージ表示と,障害の内容,原因の切り分け情報が得られる障害コード番号を表示する「メッセージパネル」を設けた.
- 4) 据付仕様の拡張
- チャネルインタフェースケーブル長を最大120mまで拡張可能とした.
形名 | H-8488-A10 |
H-8488-1 (参考) |
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使用磁気テープ | 1/2インチ幅,2400フィート長 | |
トラック数 | 9 | |
記録密度(BPI) (記録方式) |
6250/1600 (GCR/PE) |
|
IBG(インチ) | 0.3/0.6 | |
テープ速度(インチ/秒) | 200 | |
データ転送速度(KB/秒) | 1250[3000*1]/320 | 1250/320 |
テープ駆動方式 | シングルキャプスタン,真空コラム方式 | |
巻戻し時間(秒) | 50 | 45 |
消費電力(KVA) | 2.7 | 4.8 |
外形寸法 高さ×幅×奥行(mm) |
1524×570×750 *2 |
1680×1560×750 *2 |
重量(kg) | 310 *2 | 790 *2 |
*1:データ圧縮時
*2:制御装置を含む