H-8488-1は,GCR(Group Coded Recoding)の採用により記録密度6250BPIを実現したオープンリール磁気テープ装置で,HITAC Mシリーズの磁気テープ装置として開発され,1976年5月に出荷された.
記録密度の向上に加え,ブロック間のギャップ(IBG:インター・ブロック・ギャップ)も従来の1/2とすることにより,磁気テープ一巻当たりの記憶容量が従来の4倍の約160メガバイトと飛躍的に向上し,バックアップの巻数削減に寄与した.
前述のような高い記録密度を実現できたのは、GCR方式を採用し情報記録密度の増加の割に,テープ上の磁化反転密度の増加を抑えることができたからだ.つまり,従来の1600BPIの機種で用いていた方式では,1インチ当たり1600字の情報の記録を行なうのに,磁化反転密度は1インチ当たり3200回必要であったが、GCR方式では、1インチ当たり6250字の情報記録に対し、最高9042回の磁化反転回数となる.
テープ速度が異なるH-8487-1も合せて開発され,これらのファミリー化装置は日立製作所の磁気テープ装置として初めて海外にも出荷され,世界中で稼動した.
形名 | H-8488-1 | H-8487-1 |
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使用磁気テープ | 1/2インチ幅,2400フィート長 | |
トラック数 | 9 | |
記録密度(BPI) (記録方式) |
6250/1600 (GCR/PE) |
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IBG(インチ) | 0.3/0.6 | |
テープ速度(インチ/秒) | 200 | 125 |
データ転送速度(KB/秒) | 1250/320 | 780/200 |
テープ駆動方式 | シングルキャプスタン,真空コラム方式 | |
巻戻し時間 | 45秒 | 60秒 |