FACOM 401Aマガジンファイルは,国産で初めてテープカートリッジ媒体を採用した富士通の磁気テープ装置で,1967年に完成した.当時,小形システムにおいて,紙テープ機器なみの価格で,磁気テープ装置の高密度記録,データ媒体の再利用と言った特長を持った小形の入出力装置が求められていた.そこで,FACOM 230-10などの小形システム向けに,磁気テープカートリッジを採用したFACOM 401Aマガジンファイルが開発された.本装置は下記の特長を有した.
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(1) 国産初の磁気テープカートリッジの採用により媒体の取扱が非常に容易
(カートリッジの着脱が瞬時に可能,記録媒体の保管スペースが少なくて済む) - (2) 紙テープ装置に比べ,一つの装置で読み書きの両方に使用可能,かつ媒体の再利用が可能という利点を持つ
- (3) 記録の信頼度を確保(一般の磁気テープ装置に比べ磁気ヘッドのトラック幅を2倍以上とりビットのドロップアウトに非常に強く,記録形式に冗長度を持たせた)
- (4) 低速ではあるが,小形で低価格,操作性・保守性が良い
完成時期 | 1967年 |
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データ媒体 |
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テープ駆動方式 | Reel to Reel drive |
テープ送り速度 | 平均76cm/秒 (30インチ/秒) |
巻き戻し時間 | 70秒 |
ヘッド | 4トラック,1ギャップ |
記録方式 | NRZI (change on 1) |
記録密度 | 平均13.1row/mm (333row/インチ) |
データ転送速度 | 1.67キロバイト/秒 |
外形寸法/重量 | 400(W)×645(D)×1,016(H) (単位mm)/170kg |