GR700シリーズは,オープンサーバ接続専用の同社のディスクアレイ装置で,1999年12月にGR720が出荷された.
GR700シリーズはファイバチャネルインタフェースをサポートし,SAN(Storage Area Network)に対応した.更に同社の統合運用管理ソフトウェア(System Walker/Storage Manager)と組み合わせることで,SANを含めたシステム全体の統合管理を可能とした.
GR700シリーズの特徴の一つは,多種多彩なサーバ接続をサポートしている点である.同社のUNIXサーバ(PRIMEPOWER)やIAサーバ(PRIMERGY)に加えて、SUN,COMPAQ,HPや IBMといった同社製以外のUNIXサーバやIAサーバへの接続も可能になっていた.2000年6月にGR730とGR740が追加され,2001年2月には小型装置であるGR710が追加された.
ミッドレンジ機であるGR720 / GR730およびエンタープライズ機であるGR740では,装置内のディスク間で高速にオンラインバックアップを取得するアドバンストコピー機能がサポートされていた.この機能を用いることで,業務にて使用中のデータに対して高速でコピーの作成やバックアップの取得を行うことが可能となり,システム運用面でのバックアップウィンドウ(注1)を短縮できた.またバックアップデータの高速リストアが可能であり,事故その他によるデータ消失時の回復時間の大幅な短縮を可能にした.
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(注1)バックアップウィンドウ;データのバックアップを取る際,データの整合性を保証するため,バックアップ処理中は,データアクセスを一時的に停止させる必要がある.この時間をバックアップウィンドウと言う.
システム運用の長時間化が進むにつれて,バックアップのためにシステムからのデータアクセスを停止できる時間はますます短くなっていた.このことがアドバンストコピー機能開発の背景である.
エンタープライズ機であるGR740は装置内のみならず装置間のアドバンストコピー機能もサポートしていた.それにより,装置間をファイバチャネルや回線で遠距離接続する構成を採ることで,災害に備えたバックアップシステム(ディザスタリカバリシステム)の構築を可能とした.
  | キャビネットモデル | ラック搭載モデル | ||
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GR72H01 | GR72H02 | GR72G01 | GR72G02 | |
出荷時期 | 1999年12月 | |||
記憶容量(RAID 5構成時) | 54 〜 1,095 GB | 72〜2,920GB | 72〜4,672GB | |
コントローラ数 | 1,2 | 2 | ||
ホストインタフェース | ファイバチャネル(最大 100 MB/s) Ultra Wide SCSI (最大 40 MB/s) |
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キャッシュ容量 | 1コントローラ;256MB〜1.75GB 2コントローラ;512MB〜 3.5GB |
512MB〜 3.5GB コントローラあたり; 256MB〜1.75GB |
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ドライブ数 | 4 〜 20 | 5 〜 50 | 5 〜 80 | |
サポートRAID構成 | 0, 1, 0+1(1+0と同等), 5 |
  | ラックマウントモデル | |
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GR73G01 | GR73G02 | |
出荷時期 | 2000年6月 | |
記憶容量(RAID 5構成時) | 72 〜 2,920 GB | 72〜4,672GB |
コントローラ数 | 2 | |
ホストインタフェース | ファイバチャネル(最大 100 MB/s) Ultra Wide SCSI (最大 40 MB/s) |
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キャッシュ容量 | 512 MB 〜 3.5 GB | |
ドライブ数 | 5 〜 50 | 5 〜 80 |
サポートRAID構成 | 0, 1, 0+1(1+0と同等), 5 |
出荷時期 | 2000年6月 | |
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記憶容量(RAID 5構成時) | 144 GB 〜 13.7 TB | |
コントローラ数 | 2 〜 4 | |
ホストインタフェース | ファイバチャネル(最大 100 MB/s) Ultra Wide SCSI (最大 40 MB/s) |
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キャッシュ容量 | 1 GB 〜 32 GB | |
ドライブ数 | 10 〜 240 | |
サポートRAID構成 | 0, 1, 0+1(1+0と同等), 5 |