【NTT】 大容量磁気ディスク記憶装置PATTY

電電公社(現NTT)の研究所では,小型・高密度のHDA(Head Disk Assembly)を搭載した大容量・高信頼の集合型磁気ディスク装置の研究開発を進めていたが,1980年に小型高密度磁気ディスク装置(JS4380)(通称PATTY:Packaged air-tight tiny disk)を実用化した.PATTY の基本性能はHDA容量 400メガバイト,装置容量 3.2ギガバイト,面記録密度 24キロビット/mm2,線記録密度 550ビット/mm,トラック密度 43tr/mm,平均シーク時間 18ミリ秒,データ転送速 1.344メガバイト/秒である.本装置は,電電公社の各種システムや社外のシステムに多数導入された.PATTYは以下の特長を持つ.

1) 新規構造の密閉形HDAは小型の8インチ形(直径210mm)磁気ディスクを搭載し,新開発の回転フィルターを用いた除塵機構,長寿命の吸湿機構を実装.
2) スパッタやメッキにより磁性体だけで磁性膜を形成する薄膜形磁気ディスクを新たに開発し,装置化に必要な信号出力,信号品質,信頼性を達成.
3) 吸着力を軽減するため浮上面を円筒形にした浮動ヘッドスライダーを開発し,浮上すきま0.27μmと長期信頼性を実現.
4) 従来の14インチ形に替え8インチ形磁気ディスクを採用したことにより風損を 1/4〜1/5に低減.ディスク回転機構,ポジショナー機構,除塵機構などを一体化して密閉形のHDAに収納.
5) 上記の新技術の開発により定期保守を不要とし,5年間無保守での連続運転を実現.

PATTYの技術は,研究所が開発した独自の高記録密度,高信頼度の技術として,磁気ディスク装置技術に対し大きなインパクトを与えた.


 
磁気ディスク記憶装置PATTY 筐体
記憶容量400MBの小型・高密度のHDAを8台搭載している.
磁気ディスクHDA