日本電気は1984年2月,メッキ媒体による小型大容量固定磁気ディスク装置N7756をACOS システム430とともに発表した.初出荷は1984年9月.
従来,磁性粉を塗料に混ぜディスク板に塗布した塗布型媒体が用いられてきたが,高記録密度化に伴い必要となる磁性膜の連続性および薄膜性が限界に近づいて来た.このため次世代の媒体としてメッキ法またはスパッタ法により連続薄膜形成する連続薄膜媒体が注目され開発が進められてきた.日本電気では1982年にメッキ媒体による磁気ディスク装置を完成,出荷しているが,本機はメインフレーム用の機種として初めてのものである.実用化された装置として当時世界最高の記録密度18,6 00bpiを達成した.
本装置は,9インチのディスク媒体10枚からなるHDA(Head Disk Assembly)を2台実装し,総記憶容量972メガバイトを小型の筐体で実現している.
なお日本電気は本機種と同じHDAを使用しアンフォーマット記憶容量520メガバイトのOEM向けディスク装置D2352も製品化した.
記憶容量(MB) | 486 |
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平均シークタイム(ms) | 15 |
平均回転待ち時間(ms) | 9.8 |
データ転送速度(MB/s) | 1.9 |
ディスク径(inch) | 9 |
ディスク枚数 | 10 |
ヘッド数(情報記録部) | 19 |
シリンダ数 | 760 |
記録密度(bpi) | 18600 |
トラック密度(tpi) | 1000 |
記録方式 | 2-7RLL |
回転数(rpm) | 3070 |
総記憶容量(MB)(装置全体) | 972 |
装置寸法(mm) (装置全体) | 500(W)×760(D)×1335(H) |