日本電気は1976年4月,14インチ媒体の大容量固定磁気ディスク装置N7751を,ACOSシリーズ77システム800,900とともに発表した.初出荷は1978年1月.
本装置は,同社初のいわゆるウィンチェスタ型固定磁気ディスク装置である.記憶容量317メガバイトの磁気ディスクモジュール2台を1筐体に納めた構成を取っている.モジュールは14インチ媒体を8枚使用しており,完全密閉構造により高密度,高信頼性を実現している.
ディスク面当たり2個のヘッドの実装によるヘッド移動距離の短縮,またサーボ系の改善により,アクセスタイム短縮を達成している.
モジュール当たり1.144メガバイトの固定ヘッド付モデルが選択でき,短アクセス時間の情報記録に有効である.
日本電気はその後1979年10月,記憶容量をN7751比2倍の1270メガバイトとした固定磁気ディスク装置N7755をACOS システム350,450,550とともに発表した.初出荷は1980年7月.
本装置は,磁気ディスク媒体の高密度化に伴い,磁気ヘッドの位置決め精度向上やサーマルオフトラック等種々のトラックずれ要因の低減をはかり,ソフトウエア互換性を考慮してN7751の仕様を引き継ぐ形で,トラック密度,シリンダ数を2倍にすることによって,記憶容量を倍増した装置である.
型名 | N7751 | N7755 | |
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記憶容量(MB) |
(可動ヘッド) | 317.5 | 635 |
(固定ヘッド) | 1.144 | ||
平均シークタイム(msec) | 20 | ||
平均回転待ち時間(ms) | 8.3 | ||
データ転送速度(MB/s) | 1.198 | ||
ディスク径(inch) | 14 | ||
ディスク面数(情報記録部) | 15面 | ||
ヘッド数(情報記録部) | 30 | ||
シリンダ数 (( )内は交替用) | 555+(5) | 1110 | |
記録密度(bpi) | 6400 | ||
トラック密度(tpi) | 480 | 960 | |
記録方式 | MFM | ||
回転数(rpm) | 3600 | ||
総記憶容量(MB)(装置全体) | 635 | 1270 | |
装置寸法(mm) (装置全体) | 1040(W)×800(D)×1100(H) |