日本電気は1984年9月,OEM向けに5.25インチ固定磁気ディスク装置D5126を発表した.
本装置は,装置の厚さが約4cm と薄型であり,トラック密度の倍増により記憶容量は1983年12月出荷の従来機種D5124の2倍の25.6MB(アンフォーマット)となった.
本装置は,ヘッド位置決め制御に埋込みサーボ方式を採用,高トラック密度における信頼性確保を図っている.本装置の埋込みサーボ方式は,装置製造時にオフトラック量検出用パターンを含む約100バイト長の特殊パターンを全シリンダのインデックス信号の直前部分に書き込んでおくインデックスサーボ方式であるが,本方式ではサーボ情報の検出までに回転待ち時間を要するためアクセス時間が遅くなるという欠点を,数分に1回の割合で挿入するキャリブレーションシーク動作時の情報をもとに見込み制御を行うことにより,通常のオープンループ方式の5インチディスク装置と同等の平均アクセス時間85msを達成している.
D5126は発売3年後の1987年8月に100万台の出荷を達成した.
また1985年3月に,同じ筐体寸法で磁気ディスク枚数を倍の4枚とし,記憶容量を2倍の51.2MBにしたD5146も発表した.
1985年11月には,磁気ヘッド移動方式をステップモーターからトルクモーターに変更,ヘッドの位置検出機構としてロータリーエンコーダを採用等により平均シーク時間を85msecから40msecに高速化したD5126H,D5146Hを発表した.
型名 | D5126 | D5146 | D5126H | D5146H |
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ディスク径(インチ) | 5.25 | |||
ディスク枚数 | 2 | 4 | 2 | 4 |
ヘッド数 | 4 | 8 | 4 | 8 |
シリンダ数 | 615 | |||
記録密度(bpi) | 9000 | |||
トラック密度(tpi) | 700 | |||
記録方式 | MFM | |||
記憶容量(アンフォーマット)(MB) | 25.6 | 51.2 | 25.6 | 51.2 |
平均シークタイム(msec) | 85 | 40 | ||
平均回転待ち時間(msec) | 8.42 | 8.33 | ||
データ転送速度(kB/sec) | 625 | |||
回転数(rpm) | 3564 | 3600 | ||
装置寸法(mm) | 149.3(W)×208(D)×42.9(H) | |||
初出荷時期 | 1984年9月 | 1985年6月 | 1986年6月 | 1986年3月 |