直径5.25インチ(13.3cm)の磁気ディスクを使用し,厚さを従来機種の半分にした密閉型の固定磁気ディスク装置で,三菱電機が1983年に発表した.最大記憶容量は12.75メガバイトである.
この装置は,以下の特長を持っていた.
- 従来機種(M4863型)に比べ,厚さを半分(ハーフサイズ:41mm)にし,2倍の実装密度が可能となった.
- ハーフサイズながら,記憶容量12.75メガバイトの大容量を実現.
- 平均シークタイム85msの高速アクセスで,5メガビット/秒の高速転送を実現.
- ステッピングモータによるポジショニング機構,DCブラシレスモータを使用したダイレクト・スピンドル機構により,シンプルで高精度・高信頼のメカニズムとなっている.
- 完全密閉型構造となっており,悪塵埃環境下の影響を受けない.
- 業界標準のST506インタフェースを使用.
装置記憶容量 | 12.75MB |
---|---|
面容量 | 6.37MB |
トラック容量 | 10,416byte |
ディスク枚数 | 1 |
記憶可能面 | 2 |
シリンダ数 | 612 |
記録方式 | MFM |
ビット密度 | 9,201bit/inch |
トラック密度 | 690/inch |
データ転送速度 | 5.0Mbit/s(625KB/s) |
位置決め時間 | 最小18ms,最大199ms,平均85ms |
回転数 | 3,536rpm |
回転待ち時間 | 平均8.48ms |
外形寸法(幅×高×奥) | 146mm×41.3mm×203.2mm |
質量 | 1.6kg |
1984年には,同サイズの筐体に記録円板を2枚(記憶化能面4面)搭載し,記憶容量を25.5メガバイトとしたMR522を発表した.
更に,1985年には,小型化を図ったボイスコイルモータを用いて平均位置決め時間を38ミリ秒に高速化すると共に,トラック密度を1.5倍の1,028トラック/インチに向上させてシリンダ数を971とし,ディスク2枚(記憶可能面3面)で記憶容量30.33メガバイトのMR533,及び,ディスク3枚(記憶可能面5面)で記憶容量50.55メガバイトのMR535を発表した.