【三菱電機】 M4863 固定磁気ディスク装置

三菱電機が1981年に発表した,直径5.25インチ(13.3cm)の磁気ディスクを使用した最大記憶容量10メガバイトの密閉型の固定磁気ディスク装置である.これは,小形・低価格を指向したと共に,信頼性・保守性に優れており,オフィスコンピュータ,パーソナルコンピュータ,各種端末装置で使われた.

この装置は,以下の特長を持っていた.

  • 3.3メガバイト,6.7メガバイト,10メガバイトの3モデルがあり,用途に合わせて選択できる.
  • ミニフレキシブルディスク装置と同一の外形および取り付け寸法,同一のDC電源であり,取り付けが容易.
  • 平均シーク時間75ミリ秒,平均アクセス時間8.3ミリ秒の高速アクセスが可能で,しかも,5.0メガバイト/秒の高速転送を実現している.
  • ステッピングモータによる位置決め機構,DCブラシレスモータを使用したダイレクト・スピンドル機構により,シンプルで高精度,高信頼性のメカニズムとなっている.
  • 完全密閉構造で,しかも,交換可能なブレス・フィルター採用により,悪塵埃条件の影響を受けずに使用できる.
  • 業界標準のインタフェースを装備しており,コントローラへの接続が容易である.
M4863 固定磁気ディスク装置の主な仕様
装置記憶容量 3.33MB(モデル1),6.66MB(モデル2)
10.00MB(モデル3)
トラック容量 10,417byte
ビット密度 7,900bit/inch
トラック密度 256トラック/inch
データ転送速度 5.0Mbit/s
位置決め時間 最小18ms,最大160ms,平均75ms
回転待ち時間 平均8.33ms
回転数 3,600rpm
外形寸法(幅×高×奥) 149.4mm×85.8mm×208mm
質量 2.5kg

  
M4863 固定磁気ディスク装置