三菱電機が1980年に発表した直径20cm(8インチ)の磁気ディスクを使用した固定磁気ディスク装置で,記憶容量21メガバイトと50メガバイトの2モデルがあった.ミニコンピュータ,オフィスコンピュータ,マイクロコンピュータ,および各種端末装置などに於けるファイルの需要増大に対応し,外部記憶装置の大容量化,多様化を図ると共に,装置の小型化,接続のしやすさ,低価格化を主眼に開発された.
この装置は,以下の特長を持っていた.
- コンパクト設計ながら,大容量を実現している.
- 大形磁気ディスク装置の技術を応用して高密度記憶を可能にすると共に,リニアモータによるトラックフォロイングサーボ方式の採用により,高速・高精度・高信頼性を実現している.
- LSI技術を駆使し,大形磁気ディスク装置と同レベルのRAS(高信頼度,高稼働率,高保守性)を実現している.
- 縦置き,横置きが可能で,また,幅がフレキシブルディスク装置と同じため,19インチ標準ラックに横に2台並べて実装できる.
- 完全密閉構造の採用により,外部の塵埃の影響を受けない.
- 業界標準のSMD,TRIDENTインタフェースのため,接続が容易で,従来機種との混在使用も可能である.
- DCブラシレスモータの採用により,電源周波数の違いの影響を受けない.
- 定期保守の必要がない.
装置記憶容量 | 21.73MB(モデル1),50.71MB(モデル2) |
---|---|
ディスク枚数 | 2枚(モデル1),4枚(モデル2) |
記憶可能面 | 3面(モデル1),7面(モデル2) |
1面当りのトラック数 | 539 |
トラック容量 | 13,440 byte |
記録方式 | MFM |
ビット密度 | 7,300 bit/inch |
トラック密度 | 480トラック/inch |
データ転送速度 | 6.45Mbit/s(806KB/s) |
位置決め時間 | 最小10ms,最大60ms,平均35ms |
回転待ち時間 | 平均8.33ms |
回転数 | 3,600rpm |
外形寸法(幅×高×奥) | 217mm×130mm×430mm |
質量 | 12kg |