三菱電機が1988年に発表した汎用コンピュータシステムEX830II,EX840II,EX850II向けの大容量,高性能,省スペース,省エネルギーの磁気ディスク装置である.1台あたりの記憶容量は最小の0.63ギガバイト(E1880B)から最大5ギガバイト(E1880D)まで,0.63ギガバイト単位で選択,および増設が可能である.
この装置は,以下の特長を持っていた.
- ヘッド位置決め時間を従来の16msから13msに短縮し,また,データ転送速度3メガバイト/秒を達成することにより,データ処理能力を向上させた.
- 0.63ギガバイト単位での増設が可能になり,また,デバイスクロスコール機能の拡張増設も顧客設置場所でできるなど,拡張が容易である.
- 8.8インチサイズの磁気円板を使用し,0.63ギガバイト単位のモジュール構造とすることでコンパクト化をはかり,従来機の半分のフロアスペース0.7m2で2倍の容量(5ギガバイト)を実装可能とした.
- 薄膜ヘッドと高性能塗布円板を組み合わせ,記録再生回路技術の改善により,21,500ビット/インチ,1,060トラック/インチの高密度記録を達成した.
装置構成 | スピンドル数/装置 | 8 |
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アクチュエータ/スピンドル | 1 | |
媒体構成 | シリンダ/アクチュエータ | 885 + 交代1 |
トラック/シリンダ | 15 | |
記憶容量 | 装置 | 5,040MB |
アクチュエータ | 630MB | |
シリンダ | 712,140byte | |
トラック | 47,476byte | |
記録方式 | 2-7 RLLC | |
ビット密度 | 21,500 bit/inch | |
トラック密度 | 1,060トラック/inch | |
性能 | 位置決め時間 | 平均13ms |
回転待ち時間 | 平均8.29ms | |
データ転送速度 | 3MB/s | |
外形寸法(幅×奥×高) |
975mm×780mm×1,400mm (内蔵デバイスコントローラ付) 700mm×780mm×1,400mm (内蔵デバイスコントローラ無) |