【富士通】 M2301 磁気ディスク装置

M2301磁気ディスク装置は,富士通の直径8インチの小径媒体を採用した最初の磁気ディスク装置で,1979年6月に完成した.同社の8インチディスク装置はSwallowシリーズと呼ばれ,1981年の第2世代機のSwallow-2により8インチディスクのOEM市場に本格的に参入した.以後,Swallowシリーズは,当初の物理寸法を維持しながら,2年間で約2倍の記憶容量の拡大を続け,1981年完成のSwallow-2の84MBに対し1989年完成のSwallow-6では24倍の2Gバイトの記憶容量を実現した.このSwallowシリーズにより同社は8インチディスク市場をリードし,Swallowディスクの外形寸法および取付け寸法が世界標準となった.

前述した記憶容量の拡大は,以下の技術により実現した.

1) 最新のヘッド・媒体技術を採用し,記録密度を向上.
2) 最新のアクチュエータ構造を採用しオフトラックを抑制し,トラック密度を向上(Swallow-2以降).
3) ディスクエンクロージャ構造の採用により密閉度を上げ,高信頼性を獲得(Swallow-2以降).

8インチディスク装置は,5.25インチディスク装置の高性能・大容量化に伴い市場が縮小し,同社ではOEM向けとしては1991年完成のM2671P(Swallow-7)が最後の製品となった.

8インチディスク装置 主要機種諸元
機種 M2301/02
Swallow -1
M2312
Swallow -2
M2322
Swallow -2.5
M2333
Swallow -3.5
M2344
Swallow -4
M2392
Swallow -6
完成時期 1979年6月 1981年4月 1983年11月 1984年11月 1987年6月 1989年4月
記憶容量(MB) 10/20 84 168 337 690 2,027
ディスク サイズ 8.0 inch 8.25 inch
枚数 4 6 8 12
平均ポジショニング時間 70ms 20ms 16ms 12ms
ディスク回転数 2,964 rpm 3,600 rpm
平均回転待ち時間 10.1 ms 8.3 ms
データ転送速度 1.229 MB/s 2.458 MB/s 3.0 MB/s
接続インターフェース SMD SMD
SCSI(*1)
SMD
SCSI
備考
  • 富士通初の8インチディスク ,OEM向けの最初の製品
  • VCM
  • ダイキャスト構造採用
  • モノコック構造の採用により耐震/耐衝撃性能向上
  • SCSIのサポート
  • 薄膜ヘッドの採用による高密度記録

*1:M1053制御装置使用


M2301/2 磁気ディスク装置
富士通最初の8インチディスクSwallow-1.容量 10/20メガバイト.
M2301/2 磁気ディスク装置
Swallow-1を上から見た写真.
M2322K磁気ディスク装置
168メガバイトの記憶容量を持つSwallow-2.5の外観.
 
M2322K磁気ディスク装置
Swallow-2.5の上部に搭載されたプリント板.
M1053A IDC(Integrated Disk Controller)
Oneボードの磁気ディスク制御装置.ディスクの上面に搭載することによりSCSIをサポート.