M2225磁気ディスク装置は,直径3.5インチの媒体を採用した富士通のOEM向け磁気ディスク装置で,1987年1月に完成した.これは富士通と日立の合弁会社である日本周辺機株式会社(NPL・藤沢)で協同開発されたもので,製造・販売を富士通が担当した.
3.5インチの磁気ディスク装置は80年代後半から登場してきたパーソナルコンピュータとともに普及が始まった.
本装置は,以下の特長を有した.
- 1) 外形寸法はパソコン搭載を基準とし,5.25インチドライブの半分とした.
- スピンドル回転用にダイレクトドライブDCモータの採用,磁気ヘッドの駆動にはステッピングモータの採用などにより機構部の簡素化と小形化を実現
- 2) 8インチや5.25インチとの技術的なシナージを活かし,最新のヘッド・媒体を投入し,年率100%近い記録密度向上を実現した.
- 3) 多種類のインターフェースに対応.
- SAタイプはSASI,ADタイプはST506/ST412,DRタイプはST506GR,SタイプはSCSI,TタイプはATAと多種類のインターフェースに対応.容易な5.25インチディスクの置き換えや5.25インチディスクと混在接続による柔軟な構成を可能にした.パソコンの普及とともに次第にSCSIモデル(外付け)とATAモデル(内蔵)が主流となった.
1990年代に入り,MRヘッドの採用で記録密度の向上が加速され,装置容量は年率100%で増加した.そのため3.5インチでも十分な容量と性能が達成できるようになり,5.25インチや8インチは姿を消すこととなった.
機種 |
M2225AD/SA PicoBird-1 |
M2227AD1/DR PicobBrd-2 |
M2614S/T PicoBird-3 |
---|---|---|---|
完成時期 | 1987年1月 | 1987年7月 | 1988年12月 |
記憶容量/装置 | 25.62 MB | 76.86 MB | 180.3 MB |
ディスクの枚数 | 2 | 4 | 4(Metal) |
平均ポジショニング時間 | 80 ms | 35 ms | 25 ms |
ディスク回転数 | 3,600 rpm | 3,490 rpm | |
平均回転待ち時間 | 8.4 ms | 8.6 ms | |
データ転送速度 | 625 KB/s | 938 KB/s | 995 KB/s |
接続インターフェース | SA:SASI,AD:ST506/ST412,DR:ST506GR,S:SCSI,T:ATA | ||
備考 |
|
|
|