国鉄(現・JR)座席予約システムMARS-101の中央処理装置として,実時間情報処理に特に適するように設計された電子計算機システムである.4,096語のコアメモリ(サイクルタイム10μs,1語40ビット)を持ち,1語に2命令を入れたペアドオーダ方式であった.加減算約18μsと高速の演算性能を有した.実時間処理用という観点から2進演算を主体としていたが,2進化10進の加減算を持ち,フィルタレジスタを用いた1語中の部分に対する処理や,1命令または2命令の繰り返し演算機能などユニークな工夫がこらされていた.また高度の割込み機能,5個のデータチャネルによる磁気コアメモリの時分割使用機能,5個の入出力チャネルによる入出力制御を備え,入出力装置の同時使用性を大幅に高めた点にも特長があった.
1963年国鉄に納入,全国各地83台の端末装置と接続され,翌年サービスを開始した.また全日空の座席予約システム,東海銀行の為替交換システム(コアメモリ8,196語)などのオンラインシステムにも用いられた.