【日本電気】 NEAC-2202

山一證券殿株式売買業務の伝票処理を機械化すべくオンライン・リアルタイム・コンピュータNEAC-2202は石井善昭,斎藤将人らを中心に開発され,第1号機は1959年12月に完成出荷された. 最大7台の端末装置からの要求を即時に処理するために,CPUタイムをサイクルスチールして記憶装置と端末装置間の情報転送を行うタイムシェアリング方式が考案された.CPUのハードウエアを削減するために,プログラムは50ステップまで組めるパッチ・ボードにし,税率等の常数は100個収容できるプラグ式で半固定化した常数盤が設けられた.これらの工夫により,小型でかつ1架に全装置が収容されており,床面積小さく,消費電力が小のため,配線が容易でエア・コンデション不要であった.

NEAC-2202の諸元
完成時期 1959年12月
演算方式
制御方式
10進直列式固定小数点
パッチ・ボード  max 50step
演算素子 トランジスタ 350
ダイオード 7000
磁気コア 360
語の構成 10進8桁3余りコード(負数は7桁と符号)
指令(命令) 31/2番地方式,演算種類 11種
演算速度 加減算 1.2ms
乗算  30ms
除算  40ms
内部記憶装置(コア) 3語/入出力装置
共通 6語
(例)3×7+6=27(入出力装置 7台の場合)
常数記憶
(プラグとジャックで実現)
10進3桁×100語
その他入出力装置 鑽孔タイプライタを最大7台

 
NEAC-2202計算機本体(左)とテープさん孔タイプライタ(右)パッケージ実装面