九州大学が1950年代後半に開発した翻訳実験用の計算機.我が国初の日・英・独3カ国語相互実験翻訳のため,間接翻訳方式の言語処理用計算機として開発された.論理設計はおもに九州大学が行い,製作は三菱電機が行った.検索命令やパターンマッチに工夫を凝らし,文字列演算に優れていた.主記憶には10万ビットの高速磁気ドラムを使用し,論理回路にはトランジスタによるダイナミックフリップフロップ方式を採用した.言語理論は,句構造文法の先駆けともいえる直接構成要素法をした.処理方式は,各国語特有の性質を表にまとめ,プログラムはどの方向の翻訳にも共通にした特徴あるものであった.