日本電気は,1958年3月,同社初のディジタル計算機NEAC-1101を完成した.同機は,1954年に後藤英一が発明したパラメトロンを用い,日本電気が独自に考案した1ターン形トランス結合方式の採用により完成した.また,この計算機は科学技術計算用を指向し,日本で初めて浮動小数点演算方式を採用した計算機で,10進7桁の浮動小数点演算ができた.パラメトロンの使用数は3,600個,命令は29種で,加減算が平均3.5ms,乗除算が平均8.0msの性能であった.記憶装置はフェライトコア(交流2周波法による磁芯マトリックス方式)を採用し,記憶容量は256語(32桁構成)であった.NEAC-1101は,その後,記憶容量を512語に倍増するなどの強化が行われ,同社研究所の科学技術計算に約8年間にわたって使用された.この計算機の開発成果はその後の日本電気におけるパラメトロン式計算機の開発に大きく貢献した.
NEAC-1101
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完成時期 |
1958年3月 |
制御方式 |
プログラム内蔵方式
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外部数値語 |
10進法7桁,指数±8
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内部数値語 | 2進法 (長語)32桁(ビット) 仮数部:25桁+符号 指数部:5桁 (短語)16桁 |
指令(命令) |
1アドレス方式,29種
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演算方式 |
並列,浮動小数点
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演算速度 |
加減算 平均3.5ms
乗除算 平均8.0ms |
演算用素子 |
パラメトロン 3,600個 励振周波数:2MHz 断続周波数:19.5kHz |
記憶用素子 |
フェライトコア 外径2mm,内径1mm,厚さ0.6mm 交流2周波法による磁芯マトリックス方式 容量:256語 |
入出力装置 |
紙テープリーダ 600字/分 紙テープパンチ 600字/分 タイプライタ 400字/分 |