FMV-TOWNSは,パソコンの国際的な流れに従い,標準的なPC/AT互換アーキテクチャ(注1)を採用した富士通のFM TOWNSの後継機.1995年11月にオールインワンモデルFM V-TOWNS Fresh・GT(TV対応モデル),オールインワンモデルFM V-TOWNS Fresh・GS,ベースモデルFM V-TOWNS MODEL Hの3機種が発表された.
従来のFM TOWNSではTOWNSアーキテクチャを採用していたが,FMV-TOWNSでは同社の「FM Vシリーズ」と同様のPC/AT互換アーキテクチャに変更した上で,FM TOWNSとの互換性も維持した.本体前面にある「TOWNSモードスイッチ」により,「PC/AT互換モード」と「TOWNSモード」の切り替えが行えた.PC/AT互換モードでは同社のFMV-DESKPOWERシリーズと同等の環境となりWindows95対応のソフトを実行できた.TOWNSモードでは従来のFM TOWNSと同等の環境となりTownsOS用のソフトをそのまま実行できた.
TownsモードはPCIスロット(*)に搭載の「TOWNSカード」で実現していた.このカードはFM TOWNSのビデオ/オーディオ機能を搭載するとともに,PC/AT互換アーキテクチャのCPU,メモリ,HDD,CD-ROM等の各種デバイスをTownsOSから制御できるようエミュレートしている.
- (注1)PC/AT互換アーキテクチャ: 1984年に発売されたIBM社のPC/ATに由来するアーキテクチャ.オープンであることから世界中で採用されたパソコン規格の事実上の業界標準.
分類 | オールインワンモデル | ベースモデル | |
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モデル名 | FM V-TOWNS Fresh・GT |
FM V-TOWNS Fresh・GS |
FM V-TOWNS MODEL H |
発表時期 | 1995年11月 | ||
CPU | Pentium 90MHz |
Pentium 120MHz |
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メモリ | 8 MB (最大128MB) | 16 MB (最大128MB) |
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HDD | 850 MB (1DE仕様) | 850 MB (1DE仕様) |
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FDD | 3.5インチ3モード(*1)×1 | ||
光学ドライブ | CD-ROMドライブ(4倍速)×1 | ||
外寸 | 420(W), 418(D), 128(H)mm | ||
重量 | 約11.4 kg | 約11.7 kg | 約11.3 kg |
消費電力 | 160 W(最大) | ||
OS | Windows95,TownsシステムソフトウェアV2.1 | ||
その他 |
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- (*1) 3モード: 3つの容量(720KB, 1.2MB, 1.44MB)に応じたフォーマット形式を扱える.