富士通の4,096色同時表示とFM音源標準装備を実現した8ビットAV(Audio Visual)パソコン.1985年10月に,最初のモデルFM77AVが発表された.これは,以下の特徴を持つ.
- (1)FM-8,FM-7,FM-NEW7との互換性
- (2)従来の8色の壁を破り,初めて4,096色同時表示を実現
- FM-77をベースにグラフィックの強化のためMMR(Memory Mapping Register)機能を採用.このMMRの動作速度がネックとなり,CPUが2MHzでは動作せず,スピードを1.6MHzに落とす必要があったが,FM77AV40EX/AV20EXで改良された.
- (3)従来のPSG音源に加えFM音源を標準装備
- (4)3.5インチフロッピーディスク(320キロバイト/ドライブ)を内蔵(1台または2台)
- (5)オプションでスーパーインポーズ(パソコン画面とテレビ画面の合成)およびビデオデジタイズ(ビデオ画像の取り込み)が可能
FM77AVは,さらにAV機能や日本語処理機能の強化が図られ,1986年10月にFM77AV40/20,1987年11月にFM77AV40EX/20EX,さらに1988年11月にFM77AV40SXが発表された.FM7740SXは,富士通8ビットパソコンの最後の機種となったが,FM77AVシリーズのAV機能はFM TOWNSに引き継がれた.
FM77 AV | FM77 AV20 | FM77 AV40 | FM77 AV20EX | FM77 AV40EX | FM77 AV40SX | ||
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発表時期 | 1985年10月 | 1986年10月 | 1987年11月 | 1988年11月 | |||
CPU | メイン部(クロック周波数) |
68B09E(2MHz) (MMR使用時 1.6MHz) |
68B09E(2MHz) (AV20/40比25%性能向上) |
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サブ部 | 68B09 | ||||||
RAM | メインメモリ | 128 〜192KB | 192 〜448KB | 128 〜192KB | 192 〜448KB | ||
グラフィックVRAM | 96KB | 144KB | 96KB | 192KB | |||
日本語表示 | 40字×11行 | 40字×20行 | 40字×25行 | ||||
漢字ROM | JIS第1水準漢字 | JIS第1水準漢字2965種,JIS非漢字453種 標準装備 | |||||
JIS第2水準漢字3388種,辞書ROM | オプション | 標準装備 | オプション | 標準装備 | |||
グラフィック表示 | 640×400ドット | - | 1画面,8色 | - | 2画面,8色 | ||
640×200ドット | 2画面,8色 | 2画面,8色 | 2画面,8色 | 4画面,8色 | |||
320×200ドット | 1画面,4096色 | AV40EXと同じ | 1画面,4096色 |
1画面,26万色/ 2画面,4096色 |
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ビデオデジタイズ | オプション | 標準装備 | |||||
サウンド機能 | FM音源,PSG 各3音・8オクターブ | ||||||
内蔵フロッピーディスクドライブ |
3.5inch 320KB ×1/2 |
3.5inch 640KB ×1/2 |
3.5inch 640KB ×2 | ||||
システムソフト | F-BASIC | F-BASIC(高速日本語処理版) |