オンラインリアルタイムシステム用のオペレーティングシステムとして103-20OSを1975年に実用化した.103-20OSは各種の銀行オンライン業務や,郵便貯金業務,運輸省車検登録業務,社会保険業務等のナショナルプロジェクトなど,全国規模で展開される数千〜数万に及ぶ多数の端末とコンピュータを通信回線で結び,即時に処理する大規模オンライン処理システム実現をねらいとしたものである.
リアルタイム処理とは,プログラムをあらかじめセンタに用意しておき,端末から投入されるデータの処理を行う形式のもので,銀行業務や販売在庫管理業務等がこれに相当する.リアルタイムオペレーティングシステム(103-20OS)は,このようなリアルタイムシステムをDIPS-1上で実現するために実用化されたものである.
(1)主に処理の主体はOSの基本機能で構成,(2)個々の電文処理を行う部分をリアルタイム処理用パッケージとして共通化,(3)業務共通部分をサービス/業務管理プログラム(SMP/AP-SMP)として切り出し,(4)具体的なサービスの業務処理はアプリケーションプログラムとして構成,全体で(1)から(4)の4階層(SMP/AP-SMPを独立の1階層として合計4階層)に分けて実現した.
リアルタイム処理の場合は,リアルタイム固有機能は最初からパッケージとして設計されており,OSの機能は基本部分に明確に区分されていた.後に,TSS用のOSとリアルタイム処理用のOSを1つに統合することになったが,ベースはリアルタイム処理用のOSになり,TSS用の機能はその時点で切り出され,パッケージソフトウェア化されることになった.
103-21OSの初版は1975年3月に完成し,DRESSセンタ,他に次々と導入された.