【日本電気】 A-VX

 A-VXは,Advanced Versatile eXtended(先進 多用途 拡張)の頭文字を取った名前で,従来のOS名称ITOS-VXのVXにAdvanced(進歩した)を加え,新しいOS名称とした.OS名称としてのITOSは,12年間継続してきたが,さらなる発展に向けOSの名前を変えることになった.
このOSを搭載したオフコンとしてNECシステム3100シリーズが,出荷された.  当時,戦略情報システム(SIS)がキーワードとして取り上げられ,データを戦略的に活用できる情報システムの構築が行われるようになってきた.オフコンとは言え,ハードウェアの諸源は大きく拡大された(最大端末接続台数を640台).
 PC/WS エミュレータという製品は,従来のオフコン端末は,専用端末と言われ独自のソフトウェアで構成されていた.しかし,オフコンの端末としてPCが多用されてくるなかで,クライアントPC(WindowsOS)上で動作するオフコン専用端末の操作性を維持したソフトウェアの要求が出てきた.PC/WSエミュレータは,MS-DOSから始まるクライアントPCの各WindowsOSで動作するように,WindowsOSの出荷に合わせて製品を出荷した.

プログラム言語と開発環境
 開発環境のソフトウェアも汎用機用に開発されたものを,オフコンへ搭載することが行われてきた.事務処理向け言語COBOLに加え,第4世代言語(業務システムの生産性向上を目指す)としてIDL II (Integrated Data oriented Language II )を製品化した(1991年1月).
 日本電気の汎用機ACOSの日本語機能と互換性が保たれるように日本語情報処理システムJIPSに準拠し,日本語データの処理を行えるようになった.
 汎用機とオフコンを繋いでの業務構築が可能なように,メインフレームリンクという製品も提供した.メインフレームリンクは,オフコンのサーバとクライアント間に加え上位の汎用機ACOSともデータ連携ができるようになった.上位の汎用機ACOS,他社ホストへも接続できるシステムを構築するためのもので,接続形態から垂直分散と言われていた.オフコンのクライアントが,汎用機の端末となるための汎用機の各種エミュレータが揃えられていた.

図-1 メインフレームリンク用ソフトウェア体系

図-1 メインフレームリンク用ソフトウェア体系


LANマネージャサーバ機能(LM/A-VX)
 当時のPCの世界のデファクトスタンダードである Network OS LANマネージャを採用することにより,ファイル・プリントサーバ機能をサポートし,オフィスプロセッサの基幹業務との連携・ファイル変換機能のサポート,他のPCインテグレーションソフトとの組合せにより柔軟なシステム構築ができるようなシステムも提供した.LANマネージャサーバ機能の主な機能は,
  • LANマネージャサーバ機能
  • A-VX←→LANマネージャ間のデータ連携機能
  • A-VX運用管理機能のLANマネージャサーバシステムへの適用
このNetwork OS LANマネージャとの連携機能を開発した技術は,後の1995年Windows OS上にオフコンOSを載せて動作させるオフィスサーバの後継機を開発する基礎となった.

  
A-VX COBOL85言語(説明書表紙)