富士通・パナファコム(現PFU)初の32ビットスーパミニコン.1983年2月に,パナファコムの16ビットミニコンPANAFACOM U-1000シリーズの上位機として,富士通からFACOM S-3000シリーズ,パナファコムからPANAFACOM S-3000シリーズが発表された.これらは,ブランド名が異なるだけで,まったく同じ製品である.このS-3000シリーズは,S-3300とS-3500の2機種からなり,富士通の汎用コンピュータFACOM M-300シリーズの資産をベースに,ミニコンとしての機能(プロセス制御機器とのCPU直接接続,リアルタイム処理用機能,主記憶のバッテリバックアップ機能など)を追加して2社で共同開発された.LA(ラボラトリオートメーション),CAD/CAM,FA(ファクトリオートメーション),各種科学技術計算,通信制御など幅広い分野で使われた.
なお,ブランド名「FACOM」は1990年5月以降「FUJITSU」に変更された.
S-3300 | S-3500 | ||
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発表時期 | 1983年2月 | ||
演算制御 | アーキテクチャ | Mシリーズアーキテクチャにミニコン機能を追加 | |
主要論理素子 |
2000ゲート/チップ TTL LSI 遅延時間 1.5ns/ゲート |
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加減算速度 | 0.63μs | 0.24μs | |
キャッシュメモリ | - | 32KB | |
高速演算処理機構 | オプション(浮動小数点演算高速化機構) | ||
主記憶装置 | 記憶素子 |
64Kbit/チップ MOS LSI (強化版:256Kbit/チップ MOS LSI) |
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記憶容量 |
4〜8MB (4〜16MB) (*1) |
4〜16MB (4〜32MB)(*1) |
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エラーチェック | ECC(1bit誤り自動訂正,2bit誤り検出) | ||
バッテリーサポート機構 | オプション | ||
バスサポート | Cバス,最大転送速度 1.5MB/s | ||
OS | OVIS/S (MシリーズOSにミニコン機能を追加) |
(注) 上記の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.
*1:( )内は,256Kbit/チップ MOS LSI使用の場合.