【日本電気】 NEC MS120,MS140,MS190

1982年,日本電気は32ビット高性能ミニコンピュータ NEC MS120,MS140,MS190を発売した.

この32ビットファミリーは32ビットアーキテクチャの採用に加え,パイプライン制御,メモリインタリーブ,OS機能の一部ファームウェア化,高速標準バスなどを採用し,システムの高速化を実現した.特に1月に発表したMS190は,超大型汎用コンピュータACOSシステム1000の技術であるCML LSIを採用し,科学技術計算で世界最高速のパフォーマンスを実現した.

オペレーティングシステムNCOS1は,通信ネットワーク制御,産業制御,科学技術計算,分散処理などさまざまな用途に適用されるマルチサービスオペレーティングシステムで,複数のオンラインリアルタイム処理,TSS処理,バッチ処理の同時実行を効率よく実現した.

NEC MSシリーズ 32ビットファミリーの主な諸元
  MS120 MS140 MS190
発表時期 1982年4月 1982年4月 1982年1月
記憶部 最大記憶容量 2MB 4MB 16MB
語構成 32bit
サイクルタイム 510ns/4byte 435ns/4byte 498ns/16byte
誤り修正 ECC(自動誤検出修正)
記憶素子 LSI(64Kビット/チップ)
演算部 制御方式 マイクロプログラム
命令数 最大171,付加62 基本207,付加85
演算方式 2進並列,固定小数点
10進演算(オプション) 10進演算
浮動小数点(オプション)
レジスタ 33個 標準34個,付加4個
割込レベル 37種
その他機構 キャッシュメモリ なし 標準32KB
記憶保護機構 標準32KB
科学演算機構 オプション
ベクトル演算制御機構 なし オプション

 
MS140MS190