FACOM U-200は,富士通の多目的制御用16ビットミニコン.同社初のミニコンFACOM R(1969年3月発表)およびFACOM RE(FACOM Rの改良機,1971年8月発表)の後継機として1972年8月に発表された.産業用コンピュータとしての制御機能および拡張性に重点をおいて開発された.
1973年7月2日の富士通・富士電機・松下グループによるパナファコム(現PFU)設立にともない,ミニコンの開発・製造はパナファコムに移り,PANAFACOM U-200に変更された.その後,パナファコム(現PFU)により上位機としてPANAFACOM U-300,U-400,下位機として国産初のLSIミニコンPANAFACOM U-100が追加され,PANAFACOM U-100シリーズが完成した.
松下通工(現パナソニック モバイルコミュニケーションズ)で開発・製造されていた16ビットミニコンMACC-7は,パナファコムに引継がれたが,新会社の開発方針として次機種はFACOM U-200をベースとすることが決定され,その開発に終止符が打たれた.
PANAFACOM U-100 |
FACOM (PANAFACOM) U-200 |
PANAFACOM U-300 |
PANAFACOM U-400 |
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発表時期 | 1975年6月 | 1972年8月 | 1974年12月 | ||
記憶装置 | 記憶素子 | 磁気コア,ICメモリ | |||
語長 | 16bit+2パリティ | ||||
サイクルタイム |
磁気コア 1.5μs ICメモリ 0.6μs |
磁気コア 0.65/0.75μs ICメモリ 0.75μs |
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記憶容量 | 8〜64KB | 64〜256KB | |||
記憶保護 | - |
オプション (1KB単位) |
標準(1KB単位) | ||
演算制御部 | アーキテクチャ | 16ビットCPU独自アーキテクチャ | |||
命令数 | 89 |
89 (オプション含む) |
103 (オプション含む) |
108 (オプション含む) |
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浮動小数点演算 | - | オプション | |||
割込みレベル | 内部2,外部4 | 内部3,外部8,特殊外部1 | |||
固定小数点加減算速度 | 2.8μs | 1.58μs | 0.8μs | ||
その他 | 入出力制御 | 共通バス方式,プログラム制御またはDMA(Direct Memory Access) | |||
イニシャルプログラムロード | 標準 | オプション | 標準 | ||
タイマ・プログラム割込み | 標準 | オプション | 標準 |
(注) 上記の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.