従来のM-1800モデルグループに続く,富士通のM-1000シリーズの新たなモデルグループ(M-1900,M-1700,M-1500)の総称(新M-1000シリーズ).従来のメインフレームの機能に,クライアント・サーバスタイルを取り込んだグローバルサーバとして,1994年5月に,FUJITSU M-1900/M-1700/M-1500の各モデルグループが発表された.この新FUJITSU M-1000シリーズは以下の特徴を持つ.
- (1) 大幅なコストパフォーマンスの改善と幅広い性能カバーレンジ
M-700シリーズに比較して2〜5倍のコストパフォーマンス向上.
M-1900モデルグループの中で約11倍,M-1700モデルグループの中で約7倍,M-1500モデルグループの中で約10倍の性能レンジをカバー. - (2) クライアント・サーバスタイルへの対応強化
- LAN制御装置を標準装備
- クライアント・サーバ技術を採用した新ミドルウェア「PowerAIM」の提供
- (3) 「データ圧縮機能」と新光チャネル「OCLINK(注1)」
- (4) CMOS(注2)およびCOF(注3)技術の採用による低コスト化 (M-1500モデルグループ)
M-1500モデルグループでは,CMOSテクノロジ(0.5μm)と高密度に実装するMCM(注4)を採用.またCOF技術により,3.5インチ磁気ディスクを内蔵した.
- (注1)OCLINK: Optical Channel LINK
ストレージとの間の高速・大容量のデータ転送を実現する富士通独自のストレージ接続インタフェース規格. 接続距離を最大9キロメートルまで延長でき,最大転送速度17メガバイト/秒を実現. - (注2)CMOS: Complementary Metal Oxide Semiconductor(相補性金属酸化膜半導体)
- (注3)COF: COnvert storage Facility
ディスク媒体の記録形式を変換するCPU内蔵の機構.小型化された新たな磁気ディスク装置(固定長ブロック形式)をメインフレームで使用されてきた磁気ディスク装置(可変長レコード形式)にエミュレートする機構.低コストの最新ディスクの利用を可能にする. - (注4)MCM: Multi Chip Module
複数のLSIチップを薄膜セラミック基盤上に搭載したモジュール.高密度実装による性能向上が可能.M-1500に採用したMCMでは実装占有面積を1/6に抑え,性能は2倍向上.
モデル名 | 10R | 10S | 10 | 20 | 30 | 40 | 25 | 35 | 45 | 65 | 85 |
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発表時期 | 1994年5月 | ||||||||||
相対性能(*) | 0.6 | 0.8 | 1 | 1.8 | 2.6 | 3.3 | 1.8 | 2.6 | 3.3 | 5.3 | 6.8 |
CPU数 | 1 | 2 | 3 | 4 | 2 | 3 | 4 | 6 | 8 | ||
主記憶容量 | 最大512MB | 最大1024MB | 最大2048MB | ||||||||
システム記憶容量 | 最大8GB | ||||||||||
チャネル (内OCLINK) |
最大64台 (最大48台) |
最大128台 (最大112台) |
最大256台 (最大224台) |
(*)M-1900/10を1とした場合
モデル名 | 4 | 6 | 8 | 10Q | 10R | 10S | 10 |
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発表時期 | 1994年5月 | ||||||
相対性能(*) | 1 | 1.5 | 2.1 | 3.0 | 4.0 | 5.3 | 6.8 |
CPU数 | 1 | ||||||
主記憶容量 | 最大512MB | ||||||
システム記憶容量 | 最大8GB | ||||||
チャネル (内OCLINK) |
最大32台 | 最大64台 (最大48台) |
(*)M-1700/4を1とした場合
モデル名 | 2 | 4 | 6 | 8 | 10 | 20 | 30 | 40 |
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発表時期 | 1994年5月 | |||||||
相対性能(*) | 1 | 1.3 | 1.7 | 2.3 | 3.1 | 5.8 | 8.0 | 9.6 |
CPU数 | 1 | 2 | 3 | 4 | ||||
主記憶容量 | 最大124MB | 最大252MB | ||||||
チャネル | 最大12台 | 最大28台 |
(*)M-1500/2を1とした場合
以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.