三菱電機が開発した対話型処理指向,分散処理指向の中型機である.
1979年に発表したCOSMO 700III,700Sは,システム制御,演算処理,入出力処理,通信制御などの各機能を機能別プロセッサに分散させ,スプリットサイクル方式の高速バスで結合した分散プロセッサ方式の採用により,システム処理性能の向上と構成上の柔軟性を持たせたコンピュータであった.また,ユニプロセッサ構成のほか,主記憶を共有した密結合マルチプロセッサ構成が可能であった.また,700IIIでは,高速浮動小数点処理装置や,浮動小数点データのベクトル演算を高速で実行するアレイ処理装置(IAP)を内蔵している.論理回路にはゲート遅延時間2.6n秒の1500ゲートNMOS-LSIを使用している.最大主記憶容量は4メガバイトである.
1981年に発表したCOSMO 800III,800Sは,分散処理,日本語情報処理,イメージ処理への対応を一層推進するとともに,ファンクショナル・エンジンや最新LSIを搭載し,密結合マルチプロセッサ構成が可能な三菱電機の高性能コンピュータであり,MELCOM COSMOシリーズのモデル900IIとモデル700IIIの中間に位置する.ファンクショナル・エンジンとして,データベースエンジン,VSAMエンジン,トランザクションエンジン,および,LISPエンジンが搭載可能であり,システム性能の向上を図っている.論理回路にはゲート遅延時間0.9n秒の1000ゲートECL-LSIを使用し,基本処理装置には8キロバイトの高速バッファメモリを持っている.最大主記憶容量は8メガバイト(マルチプロセッサは16メガバイト)である.