世界最高水準の高速論理LSIおよび高速化のための各種ハードウェア技術を採用し,1979年に発表した三菱電機MELCOM-COSMOシリーズの最上位機である.
ゲート遅延時間0.75n秒の高速ECL論理素子,および250〜300ファンクション/チップのECL LSIを搭載してマシンサイクルタイム70n秒を実現し,32キロバイトの大容量高速バッファメモリとパイプライン制御方式により1クロックごとの命令実行を可能にしている.主記憶装置(最大8MB)のアクセスタイムは560n秒で読み出し幅は8バイトであり, 8ウェイインターリーブ方式により64バイトのデータを1回でアクセスして,114メガバイト/秒という高速転送レートを実現している.
サービスプロセッサとシステムコンソールを2組装備し,オペレータコンソールと保守コンソールとして同時に利用できる.保守コンソールは,オペレータコンソール障害時のバックアップともなる.
OSは,UTS/VSが強化され,漢字かな混じり文が扱えるようになり,バッチ,TSS,ワークステーションでの本格的な日本語情報処理の導入を図った.また,オペレータへの音声メッセージも可能となっている.さらに,自動運転システムにより,24時間,スケジュールに従った自動運転を行うことができる.
1981年には,基本処理装置内の高速バッファメモリを64キロバイトに拡張するとともに,1台の基本処理装置を付加した密結合マルチプロセッサ構成が可能なモデルが発表された.