【大阪大学】 MACシステム

大阪大学は,キャンパスが4カ所に分かれ,距離的に離れているため,従来方式の電子計算システムでは中央の計算センターまで問題を持っていき,その回答を持ち帰るまでに非常に時間がかかり,あるいは回線で接続して使用する場合でも,1人が電子計算機を使用すると他の人は待たなくてはならないなど最新の研究を行う大学として種々問題があった.これを解決するために日本電気,電電公社との共同研究により,1969年1月,MACシステム(Machine Aided Cognition システムあるいはMultiple Access Computerシステムの略)を開発した.  MACシステムは電子計算機の動作時間を時分割して使用するいわゆるタイム・シェアリング・システム(TSS)と呼ばれるもので,日本電気のNEACシリーズ2200モデル500を使用し,電電公社の一般電話回線を介して各地区にある多数の端末から会話形式でプログラムの作成,実行を可能にしたものである.このMACシステムは日本で最初に実現されたTSSで,同年4月には,全国の大学等の研究者が学術研究・教育等に伴う計算および情報の処理を行うために利用する全国共同利用施設,大阪大学大型計算機センターがスタートした.


  
大阪大学豊中地区のNEACシリーズ2200モデル500「大阪大学大型計算機センター十年誌」より引用