汎用機HITAC 8000シリーズの小型上位モデルから中型下位モデルの範囲をカバーするために,HITAC8100の改良機種として開発され,1967年8月に発表された.オペレーティング・システムは,日立が独自に開発したディスク・オリエンテッド・システムである.業務処理形態は,バッチ処理,インライン処理,リモート処理,大形計算機の入出力処理のいずれにも対応可能である.インライン処理は,POPシステムと名付けられたソフトウェアにより,種々の伝票作成と関連するファイルの更新をリアルタイムで行うことが可能である.これらの事務用業務処理を中心としたシステム体系の外に,技術計算用言語FORTRANがサポートされているので,日常的な科学技術計算処理も可能となっている.処理装置の基本回路として,従来機種でのCML型ICとは異なり,TTL型ICを全面的に採用し,消費電力と設置面積を減少させ,高速演算能力と低価格を実現することができた.主記憶装置は8キロバイトと16キロバイトの2種類が用意され,サイクル・タイムは1.4μsである.ディスク装置は,最小400キロバイトから最大5.12メガバイトまで3種類が用意されている.入出力処理には,経済性の高い中速入出力装置から高い処理能力を持つ高速入出力を持つ高速入出力装置まで,各種の入出力装置が用意されている.