1964年にIBMがS/360シリーズを発表したのに対抗して,翌1965年日立製作所が発表した汎用機のシリーズ.
HITAC 8000シリーズは,技術提携先であったRCA社がIBMに対抗して1964年に発表したSPECTRA 70シリーズの基本理念を基に,日立製作所独自の技術を加え,国内市場に適応することを考慮した.データ処理の規模に応じて4種のシステムがあり,HITAC 8200が小型,8300/8400が中型,8500が大型に属する1つのファミリーシステムを構成している.その特徴は次の通り:(1)集積回路(IC)の採用により,信頼度が高く,装置の小型化が実現された.(2)IBM S/360シリーズとプログラムの互換性がある.(3)処理装置と入出力装置の接続の標準化により,システム構成の変更および増設が容易に行える.(4)8ビット(従来は6ビットが一般的だった)のデータ形式採用により,256種の文字が表現できるようになり,仮名文字の取扱いが容易である.(5)事務処理,科学技術計算,データ通信等応用範囲の広い汎用計算機である.