【日立】 H-8523 大容量記憶装置

本装置は周辺機器の自動化,スペース効率の向上や低価格化などの要求に応えて開発され,HITAC Mシリーズ用として1979年に製品化した.
本装置は一個当たり50MB(メガバイト)の磁気テープカートリッジを記憶媒体として使用し,最小構成で35 GB(ギガバイト),最大構成で236 GBを記憶できる全く新しい記憶装置である.主要な特徴点を以下に述べる.

  • 媒体の自動装填(格納庫に保管された磁気テープカートリッジを自動ハンドリング)
  • ファイル管理の自動化(データの集中管理が機械化)
  • 大容量データのランダムアクセスの実現(仮想記憶装置の概念を導入)
  • 記憶コストの低減(ランダムアクセスが可能で磁気テープに近いビットコストを実現)
  • 高信頼設計の採用(ハードウェアの二重化や新誤り訂正理論の採用)

H-8523大容量記憶装置の諸元
装置形名 H-8523 大容量記憶装置
完成時期 1979年
最大記憶容量 35 GB 〜 236 GB (*1)
最大カートリッジ保管数 706個 〜 4,720個 (*1)
データ転送速度 874 KB/秒(瞬間最大)/ 371 KB/秒(実行)
アクセスタイム ストライプサーチ時間 : 11 ミリ秒〜13 秒
ロード/アンロード時間: 約5 秒
カートリッジ移動時間: 2.6 秒〜7.6 秒
装置外形寸法 幅 :4,623 mm 〜 9,186 mm (*1)
奥行:810 mm  高さ:1,915 mm
データカートリッジ 記録媒体の種類 磁気テープ(円筒カートリッジに装填)
記憶容量 50.4 MB/カートリッジ
記録密度 7,023 BPI相当
記録方式 ZM変調方式
テープ寸法 幅:68.6 mm
長さ:68.6 m
外形寸法 高さ:102 mm
直径:51 mm
接続システム HITAC-Mシリーズ

*1:最大数は装置の構成により異なる.


 
H-8523 大容量記憶装置 システム 外観H-8523 大容量記憶装置 アクセッサ部