本装置は周辺機器の自動化,スペース効率の向上や低価格化などの要求に応えて開発され,HITAC Mシリーズ用として1979年に製品化した.
本装置は一個当たり50MB(メガバイト)の磁気テープカートリッジを記憶媒体として使用し,最小構成で35 GB(ギガバイト),最大構成で236 GBを記憶できる全く新しい記憶装置である.主要な特徴点を以下に述べる.
- 媒体の自動装填(格納庫に保管された磁気テープカートリッジを自動ハンドリング)
- ファイル管理の自動化(データの集中管理が機械化)
- 大容量データのランダムアクセスの実現(仮想記憶装置の概念を導入)
- 記憶コストの低減(ランダムアクセスが可能で磁気テープに近いビットコストを実現)
- 高信頼設計の採用(ハードウェアの二重化や新誤り訂正理論の採用)
装置形名 | H-8523 大容量記憶装置 | |
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完成時期 | 1979年 | |
最大記憶容量 | 35 GB 〜 236 GB (*1) | |
最大カートリッジ保管数 | 706個 〜 4,720個 (*1) | |
データ転送速度 | 874 KB/秒(瞬間最大)/ 371 KB/秒(実行) | |
アクセスタイム |
ストライプサーチ時間 : 11 ミリ秒〜13 秒 ロード/アンロード時間: 約5 秒 カートリッジ移動時間: 2.6 秒〜7.6 秒 |
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装置外形寸法 |
幅 :4,623 mm 〜 9,186 mm (*1) 奥行:810 mm 高さ:1,915 mm |
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データカートリッジ | 記録媒体の種類 | 磁気テープ(円筒カートリッジに装填) |
記憶容量 | 50.4 MB/カートリッジ | |
記録密度 | 7,023 BPI相当 | |
記録方式 | ZM変調方式 | |
テープ寸法 |
幅:68.6 mm 長さ:68.6 m |
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外形寸法 |
高さ:102 mm 直径:51 mm |
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接続システム | HITAC-Mシリーズ |
*1:最大数は装置の構成により異なる.