FACOM 601は,テンションアーム緩衝機構を採用した富士通初のコンピュータ用磁気テープ装置で,1960年8月に完成した.
FACOM 601は,連続回転しているキャプスタンにピンチローラでテープを押しつけて送るテープ駆動方式を採用.キャプスタンは,正方向送りと逆方向送りの二つがあり,互いに逆方向に回転している.また,テープのスタートおよびストップ時の急激な動作にリールが応答できないため,テンションアーム緩衝機構が用いられた.本装置の記録密度は133bpi(bit per inch)と低かったが,この記録密度を333bpiに高め,かつFACOM 601で書かれたテープの読み込みを可能としたFACOM 602が開発された.このテープ駆動方式では,スタート/ストップ時にテープに衝撃力が加わるのを避けられないが,サンドイッチテープの採用により信頼度を確保した.しかしながら,記録分解能が劣り記録密度の向上には無理があった.
FACOM 601L | FACOM 602 | |
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完成時期 | 1960年8月 | 1962年頃 |
テープ速度 | 75インチ/秒 | |
データ転送速度 | 10,000桁/秒 | 25,000/10,000 桁/秒 |
記録密度(bpi) | 133 | 333/133 |
記録方式 | NRZI | |
ヘッド | 7トラック書込読取2ギャップヘッド | |
使用テープ | サンドイッチ形3Mテープ#486 | |
テープ駆動方式 |
キャプスタン,ピンチローラ方式 (テンションアーム緩衝機構) |
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巻き戻し時間 | 6.5分 | |
2チャネルクロスコール | 不可 | |
主要接続システム | FACOM 222,231 | FACOM 222,231,241 |