【日立】 HIPAC 103

関西電力の電力経済負荷配分装置に適合する高度の科学技術計算用コンピュータとして開発された.主演算素子はパラメトロン,記憶装置は磁気コアを主とし,磁気ドラムを併用.データは1語2進48ビット,命令は1語に2命令入れるペアドオーダ方式,アドレス部は13ビットで8,192語のメモリをアドレス可能とした.命令セットは科学技術計算に必須の浮動小数点命令を含む110種類用意し,当時としては非常に豊富であった.

初号機は1961年12月に関西電力に納入された.その後約30台が出荷され,当時としては大学研究所向きのベストセラーマシンとなった.

HIPAC 103用のソフトウェアとして,日立製作所として初めてFORTRAN系のコンパイラHARP(Hitachi Automatic Rapid Program)が作られた.

日立製作所でのパラメトロン計算機の開発はこれをもって終了した.


  
HIPAC103